日本ハムが今秋ドラフトで“東北のダルビッシュ”の異名を取る最速151キロ右腕、花巻東(岩手)の大谷翔平投手(2年)を1位指名候補に挙げていることが2月29日、分かった。山田正雄ゼネラルマネジャー(GM)は「一級品。腕の振りが柔らかく、直球には角度もある。他の高校生と比べても頭1つ抜けている存在」と高く評価。今年から東日本担当スカウトが増員されたことも有利に働き、編成部門一丸となって長身の速球派を徹底マークしていく。

 高校生では群を抜く存在だ。山田GMは今年の大学生NO・1右腕、亜大・東浜巨投手(3年)と比較し「東浜はもちろん大学生なので即戦力だが、大谷は高卒でもひょっとしたらシーズン中には1軍に上がって4勝くらいするんじゃないか、という魅力がある」と言う。昨年までエースとして活躍したダルビッシュ(レンジャーズ)も、東北(宮城)から入団1年目は5勝。193センチの長身と剛速球から“東北のダル”と称されることが多い大谷だが、実績でも本家と同じくらいの勝ち星を見込める逸材というわけだ。

 高校時代のダルビッシュと同じように成長痛に苦しみ、昨秋の公式戦登板はゼロ。それでも「入団後即、勝ち星を挙げることも大切なポイントだが、将来的にワールド・ベースボール・クラシック(WBC)代表で活躍できるような選手が欲しい」(山田GM)という日本ハムにとって、将来性NO・1の大谷は、今秋ドラフト候補の中で最もその条件に近い。21日開幕のセンバツでも、徹底マークで熱視線を送る。

 ◆大谷翔平(おおたに・しょうへい)1994年(平6)7月5日、岩手・水沢市(現奥州市)生まれ。姉体小3年の時、水沢リトルで野球を始めた。花巻東では1年春から4番。左打ちで高校通算27本塁打と、投打に非凡。昨夏76キロだった体重は87キロまで増えるなど、高校入学時の188センチ、66キロから急成長した。家族は両親と兄、姉。右投げ左打ち。