優勝あるのみ-。阪神は2日、兵庫県西宮市の広田神社で恒例の必勝祈願を行った。和田豊監督(49)は新年早々に同神社に参拝し、絵馬に「優勝あるのみ」とストレートな思いを託していたことが判明。宮司からも「チームが一丸になっている」とお墨付きをもらい、7年ぶりの悲願へ機運を高めた。

 これ以上ないシンプルな6文字に、指揮官の熱い気持ちが詰まっていた。広田神社に奉納されている和田監督直筆の絵馬。新年1月2日に家族で訪れた際に家長として、そして阪神タイガースの将として、筆を走らせていた。

 家内安全

 優勝あるのみ!!

 阪神の監督が同神社に初詣で訪れるのは異例のこと。ちょうど2カ月がたったこの日、坂井オーナーはじめフロント、コーチ陣、1、2軍選手で参拝。絵馬に託した思いはさらに高ぶっていたに違いない。

 恒例の必勝祈願だが、監督としてはもちろん初めて。傘の行列を冷たく濡らす雨が、荘厳な雰囲気と緊張感を高めた。坂井オーナーらと一緒に玉串を納め、おはらいを受けた。

 一見、例年と何一つ変わらぬ儀式。が、そこにいつもとは違う「変化」を感じ取っていたのが西井璋宮司(64)だった。

 「かしわ手の時に全員の拍手がピタっとそろっていました。野球は団体プレーで、みんなが1つになることが大事。今日のことを忘れず、一丸になってくれたらいい」

 和田監督が就任以来、何よりも大事にしてきた「一丸」の姿勢を、偶然にもチーム全員で発揮したのだ。沖縄・宜野座キャンプ打ち上げの2月29日、1カ月のキャンプを締める最後のメニューは全員で隊列を組んで大声を出しながらのランニングだった。高校野球のような異色の一幕だったが、和田野球の目指すものを象徴していた。

 1日の休みをはさみ、チームは再集合。甲子園室内で練習をこなしたあと、高知に飛び立った。3日、4日のオリックス戦(安芸、春野)から開幕に向けた再スタートを切る。

 「やりたいと思っていたことができた。最高の準備ができた」とキャンプを総括した指揮官。優勝あるのみ-。力強い筆跡のごとく、ぐいぐいと猛虎軍団をけん引する。【柏原誠】