<オープン戦:広島1-5巨人>◇6日◇マツダスタジアム

 中学生レベルだ!

 広島野村謙二郎監督(45)が今季初の本拠開催となった巨人戦で雷を落とした。5回無死一塁で、走者丸佳浩外野手(22)が右寄りの中前打で二塁にストップ。積極性の見えない走塁に即座に代走を送り「気の利いた中学生でも分かる」と厳しい言葉を浴びせた。激しい外野争いの中、決め手を欠く若手に奮起をうながした。

 マツダスタジアムに不穏な空気が漂った。5回無死一、二塁となったところで、二塁走者の丸に代走が送られた。試合後、丸はうつむきながら口を開いた。

 丸

 判断が悪かった。オープン戦の時期なので、行かなきゃ分からないのに、自重した。次から、がんばります。

 打撃不振でキャンプ直後の名古屋遠征は1軍メンバーから外れていた。この日、1軍に再合流し8番中堅手で即スタメンで起用された。2打席目で中前打を放ち、期待に応えた直後だった。続く会沢の打球は中堅手の右方向への打球となった。走力をアピールするには絶好の場面。だが、三塁コーチの手も回っていながら、丸は二塁ベースを回ったところでブレーキをかけた。

 野村監督

 何を考えているか分からない。右(投げ)のセンターが、右寄りにボールが飛んだら、どういう送球をするのか。気の利いた中学生でも分かる。ましてや、自分はどういう選手なのか。持ち味を殺して、消極的。久しぶりに1軍に上がってきて、ヒットを打って、何をしないといけないのか。情けなくて、しょうがない。

 指揮官は丸の話題に早口で一気にまくしたてた。本拠開幕戦も、打線がつながらず1点止まり。6本の安打はすべて単打。だからこそ、足を絡めた攻撃が必要だった。26日ソフトバンク戦(宮崎アイビー)で1番センターでスタメン起用されるなど丸への期待は大きい。松山、岩本、会沢とパワー系選手が好調を維持する中、ライバルを脅かすまでに至らなかった。

 開幕まで残り3週間。野村監督は、戦力の見極めを14日西武戦(西武ドーム)までと明言している。2軍調整中の赤松、天谷も虎視眈々(たんたん)と枠を狙っている。ここからは1プレーが明暗を分ける。【鎌田真一郎】