<オープン戦:楽天1-3日本ハム>◇11日◇倉敷

 12球団で最年長ルーキーで、「完全試合男」の日本ハム森内寿春投手(27=JR東日本東北)が開幕1軍をグッと近づけた。9回から登板し、楽天クリーンアップを3人で抑え初セーブをマークした。オープン戦は3試合4イニングで自責点0と安定感を誇る。

 「球速のわりに球はいってました。納得いってます。(震災から)1年は早いなぁと思う。自分が頑張ってる姿を見てもらって、被災した方たちに元気になってもらえたら」。青森で生まれ育ち、JR東日本東北では仙台支社に勤務した。震災後は野球環境も一変。約2カ月間練習が出来ず、がれきの撤去作業などに追われたという。

 それでもドラフト3日前の昨年10月24日、都市対抗野球で完全試合を達成してプロの道が開けた。プロ入り後、この日にオープン戦が組まれていると知り、最初の目標を決めた。「その時に1軍に残っていなければダメ」。自分を奮い立たせるためにも、この日を目指してきた。

 右のセットアッパーとして貴重な戦力だが、栗山監督は「もしかしたら長いイニング大丈夫かな。先発にもっと適性があるかも」。次の目標はもちろん開幕1軍。「1軍に残ることで子どもたちに夢を与えられるように。それが一番です」。“おっさんルーキー”の奮闘が、東北に勇気を与える。【本間翼】