左太もも裏肉離れで1軍から離脱している阪神マット・マートン外野手(30)が22日、2軍施設がある鳴尾浜の室内練習場で打撃練習を再開した。ティー打撃などで患部の状態を確認。「明らかに毎日良くなっている」と順調をアピールするM砲に、甲子園開幕となる4月6日巨人戦でスタメン復帰する可能性が出てきた。

 室内練習場から、打撃音が響く。19日に兵庫・尼崎市内の病院で「左ハムストリング(太もも裏)の筋挫傷」と診断されたマートンが、6日ぶりに打撃練習を再開した。左右の素振りを各20スイングした後、スタンドティー打撃20スイング、通常のティー打撃20スイングで状態を確認した。

 マートン

 状態としては良かったよ。結構力強く振って、それでも痛みがなかったと思う。

 権田トレーナーは「力は7割程度。しっかりと彼のルーティンがあるようで、普段のルーティンとほぼ変わらないと言っていた」と説明。さらに18メートルのキャッチボールも10分間行い、打つ動作、投げる動作による患部への影響をチェック。35分間の練習を終えると、施設内で自転車型トレーニング器具をこぐなど、計約6時間のトレーニングをこなした。

 球団内では、実戦復帰まで3週間かからないという見通しもある。負傷したのは16日ロッテ戦。順調にいけば、甲子園開幕の4月6日巨人戦でスタメン復帰する可能性が出てきた。2年連続最多安打のM砲の長期離脱は、和田阪神の船出に大きな痛手。最悪の事態は免れそうだ。

 開幕DeNA戦(京セラドーム大阪)出場は絶望的だが、鳴尾浜でリハビリを行った前日21日にマートンは「30日の開幕に間に合うように、ベストな方向でやっていきたい」と意欲を見せていた。権田トレーナーは「選手として開幕を意識するのは重要。意識せずに日々後退せず、停滞もしないようにしていきたい」と最善の策を探りながら支援していく。

 最短復帰へM砲は“秘密兵器”を導入していた。権田トレーナーから手渡されたマッサージ棒を、帰りのタクシーに乗り込む際に携帯していた。ふくらはぎや太もも、お尻など下半身の筋肉をほぐし、柔軟性を上げるための“魔法のスティック”だ。「このあたり(腰回り)の張りが強いんだ。権田さんから与えられた宿題だよ」。ホームエクササイズで少しでも負担を軽減する。M砲は今季最初の伝統の一戦出場に照準を合わせ、調整を進めていく。【岡本亜貴子】