阪神鶴直人(24)がプロ7年目で初めて開幕1軍メンバーに入った。「とにかくうれしい。何とか入れました。あとはやるだけ。手応えもありますが、これからです」と声を弾ませた。

 チームにとって欠かせない戦力だ。沖縄・宜野座キャンプでは先発ローテーションを目指して争った。3月中旬以降は救援登板を重ねてきたが、安定感は変わらない。オープン戦6試合で防御率2・81と結果を残し、1軍切符をつかんだ。

 球団関係者は「先発の適性もあるから」と話す。当面は救援陣に加わるが、ロングリリーフをこなせる強みもある。先発陣が不調なら取って代わる力量も備えており、ジョーカーの役回りになる。

 1月の沖縄自主トレでは師匠格の藤川から「鶴が来るよ!」と成長に太鼓判を押されていた。その期待通りに、まずは力強く第1関門を突破した。

 狙うのは、もちろん先発ローテーションへの仲間入りだ。10年に12試合、11年に5試合先発したが、確固たるポジションを奪えなかった。武者震いして言う。「ここからが勝負です」。開幕1軍の投手陣では藤原とともに最年少。フレッシュさを前面に押し出し、下克上をもくろむ。【酒井俊作】