日本ハム栗山英樹監督(50)が9日、斎藤にまたまた強烈なハッパを掛けた。斎藤は13日の楽天戦(札幌ドーム)に先発予定で、同じく先発濃厚な楽天田中とプロ2度目の対決が実現する。チームは休日だったが、指揮官は「自分の好きなように投げなさい」と、高校時代からのライバル相手に1歩も引かない投球を求めた。

 栗山監督が、斎藤の闘争心をかき立てるゲキを飛ばした。プロ2度目の「佑マー」対決に向け、「結果も大事だが、何を見せるか。生きざまを見せるのが大事」と、マウンドでの姿勢にまで言及した。「金曜日(13日)は、(斎藤に)何も言うことはない。自分の好きなように投げなさいと。自分で勝ち取った権利なんだから」と、自信を植え付けるような言葉をかけた。

 個人を前面に出す姿勢もいとわない。開幕投手を斎藤に決めたときから、栗山監督には、ローテーション通りで13日に楽天田中との対決が実現することが頭にあった。「もともと(シーズン前から)考えていた。だから佑樹には勝てと言ってきた。自分らしく、個人の勝負として、そこにいける」。今季開幕から2連勝したことで、堂々と同じ舞台に立てる。

 結果が出なかったオープン戦では、斎藤に「褒めたくない」「打たれたら殴り倒すしかない。そのくらいのつもりで投げないと」など厳しい言葉を吐いてきた。すべては成長を願っての期待の裏返し。就任当初から「監督としてではなく、一野球人として、そういう勝負をさせたい」と、エース格として田中と投げ合うことを歓迎した。

 指揮官のゲキを、斎藤は冷静に受け止めた。「開幕投手を務めた以上、自分のことだけ考えてはいられないので、チームとして試合に勝つことを1番に考えたい」と結果を重視する。斎藤のさらなる成長を求める栗山監督は、感情むき出しの投球をしてでも、さらに殻を破ることを期待している。【木下大輔】