守備力向上のカギは、日本伝統の“あれ”にあった。楽天星野仙一監督(65)が7日、Kスタ宮城でノックを受けていた遊撃枡田を見て口を開いた。「内野は、みんな和式でやらせい」。和式とは、トイレのこと。近年、便座に腰掛ける洋式が席巻。ほとんど見かけなくなった和式便所だが、股を開き腰をグッと落とさないと用が足せない。下半身を低く保つ内野の捕球体勢に通じる、というわけだ。

 枡田は出場試合数は20にとどまるが、リーグワースト7位の6失策。打撃を買われての起用とはいえ、守備が課題となっている。そこで飛び出した、監督の指令だった。「今は生活様式が違うからな。これ、出来んやろう」と和式にまたがる、おなじみの座り方まで披露した。なぜ、出来ないのか。「股関節が硬いからだ」。地べたより、椅子に座る機会が増えた現代生活。そのせいで、子どもの頃に自然と股関節が柔らかくなる習慣が失われた、とみている。

 思わぬ指令を受けた枡田は「高校は和式でしたが、今は和式でやることはないですね」と苦笑い。ただ「僕は股関節が硬い。練習でも意識してストレッチをやっています」と続けた。もちろん、和式便所で用を足すだけで守備がうまくなるわけではない。要は、腰を落とす意識を持て、ということ。プロ7年目。レギュラー定着のチャンスをつかもうとしている今が、気張りどころだ。【古川真弥】