ようやくエースが帰ってくる。中日吉見一起投手(27)が明日17日オリックス戦で1軍復帰する。左太ももを痛めていたため、4月26日ヤクルト戦(神宮)以来、約2カ月ぶりの1軍マウンド。2軍では4試合に登板して計12イニングを4失点、防御率3・00。無理せずじっくりと「6・17」に合わせてきた。

 15日は福岡から大阪に移動し、甲子園のブルペンで65球を投げるなど準備を整えた。「思ったよりも調整が遅れた」。戦闘モードに突入したことを表すように、ひと言だけしか口を開かなかった。

 交流戦ラストゲームを勝利で飾る。もちろん、それがミッションの1つ。だが、求められているのはそれだけではない。権藤投手コーチは「交流戦明けは、26日阪神戦で投げさせる。初戦はそこだと思っているから」。23日からセ・リーグとの対戦が再開されるが、あえて吉見を26日阪神戦(ナゴヤドーム)にぶつける。

 その心は“火曜日の男”としてエースをフル回転させたいため。6月の4週目から6連戦、6連戦、9連戦と連戦が続く。先発は6人で回す可能性が高く、週の初戦で吉見に勝ちがつけば、チームにも弾みがつく。というわけだ。

 交流戦優勝の可能性は消滅したが、セ・リーグでは2位巨人にゲーム差なしの首位と踏みとどまっている。昨季の投手2冠吉見、MVP浅尾を欠きながら巨人の猛追に耐えてきた。待ちに待ったエースの復帰。背番号19に求められているものは大きい。【桝井聡】