<ソフトバンク1-5オリックス>◇28日◇福岡ヤフードーム

 タカの安打製造器が不調だ。ソフトバンク内川聖一外野手(29)が自身ワースト2位タイの20打席連続無安打となった。4打数無安打で、ここ4試合快音はなし。見逃し三振に倒れた6回はベンチでうつむき、顔色も失った。

 「毎日、心が折れてますよ。分かんない、分かんない。いいのか悪いのか分かんない」

 史上2人目の両リーグ首位打者を達成した昨年と今は別人のように嘆いた。打率は2割6分1厘まで下降した。チームは昨年から本拠地で7連勝中だったオリックス戦を落とし、借金完済に失敗。打線のシンボルも光を失い、ベンチ裏を重苦しい空気が埋めた。

 横浜時代の04年には23打席連続という最長スランプがあった。移籍2年目ではまり込んだ打撃不振。秋山監督も「なかなか…。西はよかったけどな、右打者に対して」と相手先発を持ち上げながら、小首をかしげた。ここ2試合は1、2番とのつながりを考慮し、本来の3番ではなく5番に下げ、対処はしている。

 内川も「ここまで考えさせる状況をつくってしまい、申し訳ない」と責任を感じ、人目のつく場所で早出特打をするなど、現状打破に必死だ。藤井打撃コーチは「責任を感じているので、どこかで気持ちが楽になるようにさせたい」と、下位打線での再生プラン発動までも示唆した。

 チームを支えてきたバットマンの復調が、反攻の鍵を握っていることは間違いない。【押谷謙爾】