初球宴は複雑…。阪神能見篤史投手(33)が2日、監督推薦で初の球宴出場を決めた。8年目での夢舞台に感動爆発と思いきや…。簡単には喜べなかった。

 「選ばれると思っていなかった。成績もたいしたことなく、気にもしていませんでした。球宴は何か持っている人、何かズバ抜けた人が出るところ。その意味で僕と照らし合わせると物足りない。しっかり成績を残して出るならうれしいけど、複雑な気持ちが強い」

 絶対的エースと期待された今季は14試合で5勝5敗、防御率3・13。前回6月29日ヤクルト戦でも6回4失点と踏ん張れず、圧倒的な投球をなかなか披露できずにいる。能見自身が納得している訳もなく、本人にとってはまさかの選出。球宴期間はすでに家族サービス旅行の予定を入れており、「子どももいるので時間をつくりたいと思っていたんですが、なくなっちゃいましたね」と苦笑いだ。

 もちろん、出場するからには全力プレーを尽くす。「しっかり腕を振ることがひとつのポイントなので、そこはやりたい。(三振も)取れるようになればいい。シーズンで戦っているチームの選手と会えるし、ひとつでもなにか得ることができれば」。能見らしい謙虚な言葉の連続に、さらなる向上心が見え隠れした。