今こそ冷静に行こう!

 阪神の野手キャプテン鳥谷敬内野手(31)は6連敗中の今こそ、基本となるプレーの大切さを説いた。東京ドームで宿敵巨人に3タテを食らい、2週間の遠征で1勝10敗と大崩れ。焦りや気負いからか、攻守にミスが目立つ状況だけに、自然体での確実なプレーに重きを置いて巻き返しを図る。

 「1つ1つ、プレーの積み重ねが大事。勝とうという気持ちだけでは勝てない。野球は確率のスポーツ。ミスを防げれば、5割のモノを6割、7割に変えていくことはできる。ここで何かを変えるということはない。どんな状況でも、各自がやれることをやることが大事だと思う」

 自身の成績には納得していない。打率2割5分8厘、3本塁打でチーム3位の31打点。両リーグトップの53四球を選び、出塁率3割8分1厘はチームトップだ。チームへの貢献度は高い数字だが「3番打っていて、出塁率を狙っていたらダメでしょ。普通に場面場面に応じて打ちたい」とサラリ。オフには「チームが苦しい時に打ちたい」と宣言しており、野手キャプテンの底力に期待がかかる。

 今日10日中日戦から球宴前の9連戦。中日、ヤクルト、巨人と上位3チームに挑む形だが、どこまでも冷静だ。「それは関係ない。上位に勝って、下位に負けることもある。それより自分たちのことをしっかりやるだけ」。確実に点を取り、確実に守り抜く。基本に忠実に、白星を拾っていく。【佐井陽介】