阪神クレイグ・ブラゼル内野手(32)が来季構想外の危機に立たされていることが19日、分かった。今シーズンで契約が切れる助っ人は前半戦、打撃不振に陥り76試合で打率2割4分1厘、8本塁打と期待に応えられず。最後の9連戦期間中は先発からも外れた。後半戦もこのままならば、来季契約を結ばない可能性が高いという。

 ペナントレースは前半戦を終えたばかり。ただ、和田阪神が5位と大失速していることを受けて、球団内では早くも来季に向けた動きが始まっている。そんな中、崖っぷちに立たされているのがブラゼルだ。球団関係者によれば、このままいけば来季は契約を更新しない可能性が高いという。

 年俸150万ドル(約1億2000万円)の1年契約で迎えた今季、ブラゼルは期待に応えているとは言い難い。捕手を一時凍結した城島との一塁争いから始まり、城島が椎間板ヘルニアで離脱した影響もあって定位置を確保した。勝負を決める打点を挙げるなど、存在感を示したが、本来の調子までは戻らず。交流戦ではたびたびスタメンを外された。その後先発復帰したものの、波が激しく、勝負どころでのもろさも目立った。前半戦最後の9連戦(1試合雨天中止)ではスタメンを外され、出場のない試合もあった。結局、先発復帰できないまま終わった。76試合で打率2割4分1厘、8本塁打、32打点。長打力を期待される助っ人としては物足りない数字だった。

 ブラゼルは米独立リーグでプレーしていた09年、5月に阪神入りすると、翌10年には47本塁打を放つなど大爆発。バース以来となる助っ人40本塁打を放って、チームに貢献した。ただ、昨季あたりから対戦球団に弱点を研究され、淡泊に打ち取られる場面が目立つようになった。統一球導入などの影響で本塁打数も減った。そのため、昨季途中も契約更新するか、どうかの議論になったが、結局、現場サイドの要望で残留した経緯がある。

 一塁も守れる新井良が苦しいチーム状況の中で大活躍するなど、若手台頭の兆しもある。育成選手ザラテの支配下登録も決定的な状況だ。レギュラー争いでも、外国人枠争いでも限りなく厳しい状況に立たされているB砲。今季限りでタテジマに別れを告げざるを得ないのか…。現在の状況を覆すためには、後半戦、周囲の評価を一変させるほどの大爆発が必要となる。