全パのソフトバンク秋山幸二監督(50)が、松田宣浩内野手(29)に球宴フル出場指令を出した。ここまで12球団で1人だけ2戦フル出場の愛弟子は、今日23日の第3戦(盛岡)も「3番三塁」での先発が有力。「マッチ(松田)は全部出すよ。おかわり君が守れないし、三塁手がいないしね。そういう年があってもいい。マッチは一番乗ってるし、実戦練習と思ってやればいいんだ」。移動しながらの3試合は体力的に厳しいが、旬の29歳には休養より実戦が必要だとむち打った。

 今や統一球対策として、打つポイントを投手寄りに置き、松田が命名した「マエ・テ・ギュン打法」は球界の通説。前半戦で打率、打点、安打の3部門でリーグ2位と結果を出し続けた。その打撃感覚を失わないため、指揮官は球宴での無休調整を命じた。さらに「3試合に出れば賞を取る可能性が高くなる。野手の方がMVPを取れる可能性は高いから」と、チームでは09年松中以来となる球宴MVP(賞金300万円)にも期待。第2戦では明石が敢闘選手賞(同100万円)を手にしており、全パの連敗を止める上でも松田にMVP級の働きを求めた。

 もちろん、疲れ知らずの松田は「よし、狙っていきますか」と3戦フル出場での賞金ゲットに色気を出した。ここまで2試合連続安打。第2戦では広島前田健のスライダーを打ちにいき、勢い余ってベース上で後ろ向きにでんぐり返る爆笑スイングで盛り上げた。最後は快音で締めくくりたいところだ。【押谷謙爾】