頼むぞ、若虎3人衆。後半戦の切り札になれ!

 阪神ドラフト2位歳内宏明投手(19)が23日、甲子園での1軍練習でシート打撃に登板。打者8人に対し、1安打1奪三振に抑えた。ドラフト5位松田遼馬投手(18)、2年目の岩本輝投手(19)も好投。いきのいい若手を和田豊監督(49)も絶賛した。あるぞ、1軍デビュー。フレッシュトリオが虎を救う。

 舞台が1軍に変わっても、強気のマウンドさばきは健在だった。シート打撃に登板した歳内が、若虎相手にテンポよくボールを投げ込んだ。打者8人に対し、1安打1奪三振。岡崎には右前に運ばれたが、打ち取った当たりだった。森田には得意のスプリットを多投。捕手今成が体で止めるのが精いっぱいのワンバウンドする魔球で、空振り三振を奪った。

 歳内

 (1軍の打者は)選球眼がいいなと思った。真っすぐでファウルが取れたけど、追い込んでからが一番難しいと思った。

 練習とは言え、1軍マウンドでも動じない強いハート。1軍首脳陣の前で、デモンストレーションに成功した。山口投手コーチは「1人1人、個性があって楽しみちゃう?

 個人名では言いません。そんな遠くないやろ」と今季中の1軍デビューの可能性を示唆。個人名こそ挙げなかったが、歳内の投球スタイルが強烈にインプットされたことは間違いなさそうだ。

 歳内だけじゃない。ドラフト5位松田、2年目岩本も持ち味を発揮。松田は伊藤隼のバットを粉砕するなど、自慢の直球でグイグイ押した。投げっぷりの良さを見せつけ、許した安打は柴田の三塁打のみ。2年目の岩本も1巡目は連続四球を与えたが、2巡目に修正。ストライクゾーンにきっちり投げ込み、打者8人を無安打に抑えた。

 松田

 変化球をもっと磨いていかないといけない。決め球を1つ持っておきたい。

 岩本

 最初は硬くなって四球を2つ出してしまったけど、2巡目からはストライクゾーンで勝負しようと決めていた。

 和田監督はフレッシュトリオの躍動にニンマリだ。「三人三様で、いいところがあった。若いし、いきがいい。マウンド度胸もある。岩本は制球がよく、低めに伸びていた。歳内はテンポよく、マウンドさばきがよかった。甲子園経験があるだけのことはある。今すぐとかではないが、近い将来、楽しみだ。いいものを見せてもらった」と目尻を下げた。

 ほんの少しの自信と新たな課題を見つけた。1軍デビューへの思いは、より強くなった。歳内が「ここでやりたいと思った」と話せば、岩本も「ここでやるために頑張ろうと強く思った」。希望に満ちあふれるフレッシュトリオが、後半戦の逆襲の切り札となる。【岡本亜貴子】

 ◆歳内宏明(さいうち・ひろあき)1993年(平5)7月19日、兵庫・尼崎市生まれ。聖光学院で2年夏に甲子園8強。3年夏は2回戦敗退。11年ドラフト2位で阪神入団。ウエスタン・リーグ6試合で2勝1敗、防御率2・70。183センチ、89キロ。右投げ右打ち。

 ◆松田遼馬(まつだ・りょうま)1994年(平6)2月8日、長崎・島原市生まれ。波佐見(長崎)で3年春に甲子園出場。11年ドラフト5位で阪神入団。ウエスタン・リーグ3試合で1勝0敗、防御率1・13。183センチ、85キロ。右投げ右打ち。

 ◆岩本輝(いわもと・あきら)1992年(平4)10月21日、山口・防府市生まれ。南陽工で2年春、3年夏に甲子園出場。10年ドラフト4位で阪神入団。ウエスタン・リーグ9試合で2勝4敗、防御率5・00。182センチ、81キロ。右投げ左打ち。