<楽天1-0日本ハム>◇26日◇Kスタ宮城

 就任1年目でのリーグ制覇を狙う栗山英樹監督(51)にとって、8月26日は「悪夢の1日」として刻まれることになった。楽天ベンチから歓喜の選手たちが飛び出す光景は2夜連続。「逆に10-0とかこてんぱんにやられるより、我慢しきれる感じが出てきている。サヨナラ負けはきつそうに見えるけど、我慢しきって何とか1点を、という展開には持ち込めた」。自らを鼓舞するように必死に前を向いたが、ショックがないわけがない。

 「大きな壁」と話していた楽天田中に、またしてもはね返された。最近10試合でチーム打率2割9分3厘と好調だった打線は、10イニングでわずかに3安打。三塁すら踏ませてもらえなかった。今季は4度の対戦で3敗1分け。指揮官は「今日のマー君の出来を見ていると、1点勝負。簡単には勝たせてくれない」。攻略の糸口すら、見つからなかった。

 サヨナラ負けよりもっと前に、1つ目の悲運にも見舞われていた。前日25日のシートノック中に左脇腹を痛めた糸井が、この日の午前中に仙台市内の病院で検査を受けた結果、左内腹斜筋の挫傷で全治2~3週間と診断された。福島チーフトレーナーによれば「2~3週間というのは、試合に復帰できるまでの期間。何打席立つかはわからないが、2軍で試合に出ることになる」予定で、今月31日以降は2軍施設の千葉・鎌ケ谷でリハビリに入る予定。残り32試合、シーズンも大詰めを迎えた大事な時期に、糸井抜きで戦うことが決まった。「いるメンバーを信じて戦う」と話す指揮官だが、表情は一団と険しくなる。

 明日28日から西武(札幌ドーム)、ソフトバンク(ヤフードーム)との直接対決6連戦。栗山監督は「来週は大事な1週間。いい形で、と思っていた」。目指していた形ではなかったが、待った…はない。チーム力を結集し、ぶつかるだけだ。【本間翼】