阪神久保康友投手(32)が、日本野球機構(NPB)の失態に翻弄(ほんろう)された。NPBは22日、久保のフリーエージェント(FA)資格日数に誤りがあったと発表した。開幕前は「7年23日」としていたが、正しくは「7年」。本人からの問い合わせで発覚したという。これにより、今季途中に2軍落ちしている久保がシーズン終了までに国内FAの資格取得条件(8年)を満たすのは厳しくなった。

 FA資格日数は、出場選手登録日数が145日に達すると1年として計算される。昨季の久保の登録日数は136日だったが、故障者特例措置で32日を加算された。本来は9日が加算されて1年となり、残りの23日分は次のシーズンに持ち越さないが、作業ミスで繰り越しになっていた。久保の今季ここまでの登録日数は106日で、10月8日以降に予定される最終戦まで登録されても、取得条件を満たさない見込みだ。

 NPBの下田邦夫事務局長は、阪神-中日22回戦の試合前に久保に謝罪。「久保選手から、他の選手は大丈夫ですかと言われた。今、全選手のチェックをしているところ。間違いがあれば、あらためて発表したい」と話した。久保は球団を通じ「人間がやっていることだし、ミスは仕方ないと思う。それがたまたま自分だっただけ」とコメントした。

 阪神の四藤慶一郎球団専務はNPBに対し、原因究明と再発防止の対策を求める方針。「選手の権利に関わることなので、間違いがあってはならない」と話した。

 ◆FA資格メモ

 1軍出場登録145日を1年と数え、8年で国内FA資格が与えられる(海外FAは9年)。1軍登録されなくても、故障や五輪出場などが要因で欠場した分を日数加算する特例措置がある。145日に満たない年はその日数を合算し、145日に達した分を1年とする。年145日を超えた日数は切り捨て。たとえば1年に1軍登録130日、特例措置30日の選手は合計160日となって145日に達するため1年とカウントし、余った15日分は切り捨て翌年以降に持ち越さない。