今月中旬にも「阪神西岡」が誕生する可能性が出てきた。阪神坂井信也オーナー(64=電鉄本社会長)が1日、注目の大型補強について初めて口を開き「今のタイガースに必要な選手。若手のお手本、リーダーになってほしい」と大歓迎の姿勢を表した。

 虎の総帥が、チーム再建の鍵を握る男に最大級のラブコールを送った。ツインズを自由契約になった西岡剛内野手(28)に対し、阪神は獲得の意思があることを表明。熱意と資金面で入団は決定的な状況になっている。坂井オーナーは新たなスターの加入に大歓迎だった。

 「走攻守、スピードのある選手やと思う。今のタイガースに必要な選手やと思います。打てる、走れる選手。若い選手が育ってきてますので、お手本というかリーダーとしてやってもらいたい」

 今季はチームが5位に低迷し、暗黒時代の到来を感じさせる戦いぶりを見せた。金本、城島という支柱も現役を引退。観客動員も落ち込む中で、世代交代が急務になっている。甲子園を舞台に、スピード感のあるチーム作りを目指す方針で、補強の目玉として西岡獲得に動いた。坂井オーナーは、3拍子そろったプレースタイルだけでなく、それ以上の存在感を期待した。上本や大和ら成長途上の若手を引っ張るリーダーとしての活躍を求めた。

 和田監督も思いは同じだった。この日、広島から新幹線で帰阪。西岡の話題を振ると、よどみなく絶賛の言葉が出てきた。

 「スピードがある。ロッテ時代に対戦していて、すごく嫌なタイプの選手だった。いい選手であることには違いない」

 交流戦などで相手ベンチから見つめてきた。敵にすれば、怖い。そんな印象が目に焼きついている。味方にすればこれ以上頼もしい存在はいないということだ。

 今後は西岡の帰国を待って、中村GMが直接交渉に臨む方向だ。入団が確実の状況で、オーナー&指揮官がダメ押しのラブコールを送った。西岡は「必要としてくれる球団でプレーしたい」と話している。その思いに虎が応じた。

 ◆西岡剛(にしおか・つよし)1984年(昭59)7月27日、大阪府生まれ。大阪桐蔭では3年夏に甲子園出場。02年ドラフト1巡目でロッテ入団。05年にレギュラーに定着し日本一。10年にはフルイニング出場し、200安打をクリア。同年オフにポスティングシステムで米ツインズに移籍したが今年9月末に契約を1年残し自由契約となった。185センチ、79キロ。右投げ両打ち。