<楽天2-1ソフトバンク>◇6日◇Kスタ宮城

 来季こそ、必ずクライマックスシリーズ(CS)へ-。楽天が今季のKスタ宮城での最終戦を白星で飾った。辛島航投手(21)が8回3安打1失点に抑え8勝目。9回を抑えた青山浩二投手(29)は球団新記録の22セーブ目を挙げた。打っては、牧田明久外野手(30)が特大の9号2ランを放った。試合後、ファンにあいさつした星野仙一監督(65)は来シーズンのCS進出を誓った。

 小雨が降り始めた仙台の夜を、赤と白のジェット風船が舞った。9回2死一塁、青山がソフトバンク長谷川を二ゴロに仕留めた。ほぼ満員に埋まったスタンドが沸いた。セレモニーでは、まず選手会長の嶋が「今年もBクラス。大事な試合で勝てませんでした。しっかり反省します。来年は必ずAクラスに入れるように、真摯(しんし)に野球に取り組みます」と決意。次に星野監督がファンへ感謝の言葉を終えると、悔しそうな表情を浮かべた。

 星野監督

 今年もあと1歩でCSを逃しました。嶋が言ったように、何かが足りない。それを追い求めていきます。

 この日の勝利で、7月27日以来の勝率5割とした。残り2試合を残し、昨季の勝利数(66)に並んだ。球団史上2度目のシーズン勝率5割以上も見える。数字だけ見れば、確実に成長している。星野監督も「少しずつですけど、選手は成長しています」と言った。だが、それでもBクラス。足りない“何か”を埋める必要がある。

 そのための作業は始まっている。宮崎で行われるフェニックスリーグ参加メンバー19人が発表された。永井、片山ら1軍経験はあっても、満足いく成績を残せなかった選手も含まれる。南国で鍛え直す。そして、秋のキャンプ。星野監督は「来年は少なくともCSに残れるように、この秋から選手と一緒に無我夢中で野球に取り組みます」と宣言し、あいさつを終えた。

 この日の朝だった。仙台に戻る便を待つ新千歳空港。星野監督の目には、優勝のビールかけをする日本ハム・ナインの映像が映った。地元の情報番組だった。「これを見て『俺もやりたい』と思うこと。ビールかけ、味わわせてやりたいんだ」と、つぶやいた。1年後のセレモニーが「CS出場報告」の場となるように。楽天の戦いは続く。【古川真弥】