楽天山村宏樹投手(36)が7日、今季限りでの現役引退を決意した。この日、仙台市内の球団事務所を訪れ、引退を申し出た。「仙台で、いい思いができました。いい仲間に恵まれ、皆さんに支えられました。今後も、頑張っていきます」。94年ドラフト1位で阪神に入団し、18年目の決断。引退後は未定という。

 故障に泣いた。苦笑いを浮かべて「もうボロボロです」と、こぼした。今年4月下旬の2軍戦で打球を右手首に受けて負傷。1軍復帰を目指してきたが、かなわなかった。08年から苦しんだ右肩痛で09年には久米島キャンプに行けなかった。千葉の病院に入院し「キャンプに行けない焦りは、すごくあります。でも、しっかり故障を直せば、復帰できることを証明したい」と、孤独なリハビリに耐え抜いた。同年9月2日、Kスタ宮城で703日ぶりに1軍復帰。「仙台のファンの皆さんの歓声が、何よりもありがたかった。リハビリの苦労なんて消えました」と笑っていた。

 球団創設2年目の06年は22試合に先発し、7勝。岩隈が復活し、田中が入団するまで、初期の楽天投手陣を支えたのが、山村だった。分配ドラフトで入団した、投手では最後のイヌワシ戦士がチームを去る。