日本ハム陽岱鋼外野手(25)が、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の予選ラウンド台湾代表メンバー入りを辞退していたことが21日、分かった。チームを優先させたい意向を、すでに台湾側へ伝えているという。来年3月の本大会第1ラウンド以降に進んだ場合は、状況によって再び判断する。

 野球人生の転機となった今季の締めくくりは、チームとともに過ごす。国際大会を「憧れ」と話す陽だが、来月行われるWBC予選ラウンドの出場は辞退した。7年目の今季はレギュラーに定着し、144試合にフル出場。打率2割8分7厘、55打点、7本塁打とキャリアハイの成績を残した。広い守備範囲でもチームのリーグ優勝に貢献、初出場した球宴でも先頭打者アーチでMVPを獲得し、飛躍の年となった。

 チームは日本シリーズ進出を決め、日本一となればアジアシリーズにも出場することになる。日程的には重ならないが、WBCも兼務することになれば超過密日程となるため、それを避けるとともに、急成長している大事な時期を、チームに残ってさらにレベルアップさせたいという強い気持ち。辞退した旨は球団にも伝えられている。

 27日からは、主力として初めて迎える日本シリーズが始まる。「最後まで戦えるのは幸せなこと」。2年目の07年に1打席(三振)立った経験しかない陽にとって、国際舞台よりも大切な時がやってくる。