えっ、ホントに?

 中日の3年目左腕小川龍也投手(21)がワールド・ベースボール・クラシック(WBC)でフィリピン代表入りすることが28日、決定的になった。小川は母がフィリピン人で同国代表入り資格を持つ。1軍未勝利だが、主力になる可能性は十分。11月の台湾での予選リーグを勝ち抜けば、日本と対戦する可能性もある。

 中日小川が、あっと驚くユニホームをまとい、WBCの国際舞台に立つ。投手王国でも将来を嘱望される左腕は、フィリピン人の母を持つ。小学生のころは夏休みを同国の自然の中で過ごした。同国側がこの点に目をつけ、水面下で招集を打診。球団側と小川本人も応じる方針を固めた。球団関係者は「まだ正式な文章は届いていないが、せっかくの機会だし拒否はしないでしょう」と話した。

 WBCの代表入り規定は五輪やサッカーなどと比べ、ハードルが低い。両親のどちらかがその国で生まれていればOK。小川はこの条件をクリア。日本では今季1軍登板1試合0勝。現在はフェニックス・リーグ(宮崎)に参戦しているが、日本と大きな力の差があるフィリピンでは柱になれる存在。同国にとっては、どうしても招集したい「貴重な戦力」のようだ。

 フィリピンは国内リーグを持つなど野球熱は高く、アジアでは比較的実績もある。WBCのメンバー招集に熱心で、地元メディアによると、小川と同様に母がフィリピン人である米大リーグ・ジャイアンツのリンスカムに接触したという情報もある。現状で予想されるメンバーにはメジャー経験者が複数いる。11月の予選リーグは台湾、タイ、ニュージーランドと同組。小川の活躍次第では同国の歴史を塗り替えるような進撃があるかもしれない。そして、夢見るのはコージジャパンとの対戦か。

 ◆小川龍也(おがわ・りゅうや)1991年(平3)9月3日、千葉市生まれ。小1で軟式野球を始め、中2から硬式の「千葉北シニア」。千葉英和で甲子園出場はなし。09年ドラフト2位で中日入団。1軍通算成績は出場2試合で0勝1敗、防御率3・60。182センチ、70キロ。左投げ左打ち。母はフィリピン人のジョビタさん。父浩二さん、姉、弟の5人家族。

 ◆フィリピン代表の日程

 WBC予選リーグ(台湾ラウンド)は11月15日に開幕する。フィリピンは15日に第1戦、16日に第2戦、17か18日に第3戦を戦う。なお現時点で対戦カードは第1戦のタイ戦のみ確定している。1位チームのみが予選リーグ突破となる。