今季14勝をマークし、最優秀防御率のタイトルを獲得した日本ハム吉川光夫投手(24)が、左肘痛を発症させていたことが7日、明らかになった。現在は札幌市内で自主練習中だが、これまで室内練習場には姿を見せておらず、ボールを使った練習はしていない様子。疲労性のものとみられるが、複数の球団関係者によると、症状が長引いた場合、来春キャンプの1軍スタートも危ぶまれる状況で、第3回WBCの代表入りにも影響しそうだ。

 日本シリーズ第1戦(10月27日)と第5戦(1日)に先発したが、既に左肘は悲鳴を上げていた状態だった。周囲からは第5戦の登板を回避する意見も出たというが、リーグ制覇の功労者であることや「肘が飛んでもいいから投げたい」という本人の強い意志を酌んで、首脳陣はマウンドへ送り出した。その結果、第5戦では3回途中5失点でノックアウト。4回4失点で降板した第1戦に続いて実力を出し切ることがないまま敗戦投手となり、さらに症状は悪化した模様だ。

 ダルビッシュに代わる新たなエースとして期待されている左腕だけに、チームにとっては緊急事態だ。今日8日には、プロスカウト会議のため千葉・鎌ケ谷市の2軍施設を訪れる栗山監督が、検査や治療の必要性など、吉川の今後について首脳陣、スタッフらと話し合う予定。球団の配慮によってキューバ戦の候補者リストからは外れたが、今季の活躍ぶりから3月のWBCの候補に名前が挙がっても、おかしくはない存在。今後の回復経過が思わしくないようであれば、来季2年目のチームにとって、大きな痛手となりそうだ。