いきなり“王道場”の幕開けだ。ソフトバンク王貞治球団会長(72)が7日、宮崎秋季キャンプを視察した。「今年はピッチャーの防御率は良かったが、得点圏打率が良くなかった。得点数も少なかったからね」と課題を掲げ、早速、細川亨捕手(32)に約40分間も打撃指導するなど、初日から精力的に動き回った。

 すり足だった細川には1本足打法を“伝授”した。「試合でする、しないは別にして(バットの)始動を早くするためにね。今年の本塁打は2本でしょ?

 寂しいよね。2桁打つ力はある」と熱弁を振るった。

 さらにフリー打撃を行う柳田に熱視線。次世代の大砲候補に「パワーはすごい。将来的には、チームというか、全日本のクリーンアップを打つ選手になってもらわないと困る」とハッパをかけた。

 今季の下位打線を担った2人に着目したのは、得点力不足に泣いたからだ。チーム打率2割5分2厘はリーグ3位ながら、得点数452は同5位。細川は打率1割台で、柳田も5本塁打どまり。彼らの底上げをできれば、おのずと得点力も上がる。

 王球団会長は、DeNAから交換トレードで獲得した通算111本塁打の吉村にも「まだ28歳だし、環境が変われば打てる」と期待。「今年も小久保に精神的におんぶに抱っこだったけど、来年からは自分たちでやらないといけない。我々の世界は立ち止まってはいられないんだから」と自覚を促した。【大池和幸】