阪神中村勝広GM(63)が12日、五十嵐亮太投手(33)の獲得作戦にリミットを設定した。

 ここまで水面下で交渉を行ってきたが、五十嵐が米国残留か、日本復帰の選択に悩んでいる上に、複数球団が獲得に乗り出していることで長期化の様相を呈している。南球団社長らと話し合った結果、11月中に決定しなければ、外国人補強などにシフトしていく方針を固めた。

 獲得は強く望んでいる。ただ、来季のことを考えれば、いつまでも待っているわけにもいかない。中村GMは五十嵐との交渉状況について、こう説明した。

 「やや、こっち(日本)に傾いているが、アメリカにも未練がある。時間がかかるね。ゆっくり考えてくれていいんじゃない?

 ただ、うちはうちである程度リミットを切りたい。11月中にはと思うけど。あとは向こうがどう出てくるか」

 集めた情報を総合すると、米国残留を考えている五十嵐の決断は、12月のウインターミーティング後になる可能性が出てきた。国内では楽天、ソフトバンクが争奪戦に参戦しており、最後まで待った揚げ句に獲得に失敗すれば、リリーフ補強が後手にまわる。リスクを回避するための手段だ。

 「マネーゲームは避けたいとはっきり申し上げたい。予算内で勝負できなければ、外国人に絞るか何らかの方法を考えないと」

 中村GMは、あらためて五十嵐、福留らの争奪戦が長期化する中で条件がつり上がっていくことに危機感を示した。日本人メジャーリーガー優先の方針できたが、方針転換の可能性も見えてきた。