中日高木守道監督(71)が18日、阪神にセ界一早い先制パンチを見舞った。和田虎はツインズを自由契約になった西岡や、オリックスからFA宣言した日高の獲得が秒読みだが、入団前でも挑発するのが気の早い守道流。「西岡は阪神やロッテは行きたくないって話を聞いとったんだけど」。キャンプ地の沖縄からジャブを放つと、一気呵成(かせい)の「口撃」に出た。

 「(年俸)3億だって?

 結果出しての3億ならいいよ。そんなことやっとるから(日本球界が)ダメなんだ」。まずは西岡に出した2年契約6億円(推定)の条件にかみついた。続けて「手ごわい?」の問いにも首をひねった。「ロッテにいたころの西岡ならね。前のような力を出せるか」。評論家時代に見た姿は「走って打って、いい守備をしとったよ」。でも、米国で力を発揮できず、2年で国内復帰。今の実力は未知数なのに3億円はどうなの、阪神さん?

 というわけだ。

 「今の阪神の捕手陣を見たらプラスでしょう」。日高の獲得はアッパレ?

 と持ち上げたが、話題を西岡に戻し「平野がかわいそうだね」と、西岡に押し出される形でFA宣言した平野に同情。「一昨年まで、ほんとよう頑張っとったよ。守備の身体能力はズバ抜けとったで」。評価の辛い指揮官がこれほど、同じ二塁手をほめるのは珍しい。

 さらに阪神中村GMがオリックス球団本部長だった07年オフ、平野が放出された話題にも反応。中村GMが今秋から阪神に来た構図に「相性の悪い人に追いかけられてんだ」と話した。

 阪神には今季、16勝7敗1分け。「でも、変わるんやない?」。すべてが大補強する相手を警戒してのパンチラッシュか。オフもあの手この手で敵を揺さぶる。【松井清員】