【フェニックス(米アリゾナ州)18日(日本時間19日)=四竃衛】西武から海外FA(フリーエージェント)権を行使してメジャー移籍を目指す中島裕之内野手(30)が、19日(同20日)に当地を訪れ、ダイヤモンドバックスとメジャー初交渉を行うことが、分かった。中島は今月上旬から自主トレーニングを兼ねて極秘で渡米中。早くから獲得の意思を示していたダ軍側は、2年総額300万~400万ドル(約2億4000万円~3億2000万円)の条件を用意している模様。速攻交渉で獲得を目指す姿勢が明らかになった。

 FA交渉の解禁後、早い時期から中島へ熱烈なラブコールを送っていたダイヤモンドバックスの獲得意思は、やはり真剣そのものだった。19日(同20日)に、フェニックス市内の本拠地チェース・フィールド、さらにスコッツデール市内のキャンプ施設を見学してもらい、ケビン・タワーズGMら首脳陣らが出迎え、第1回交渉を行うことが明らかになった。

 これまでも、ダ軍関係者は、中島への興味を隠すことなく、コメントを残してきた。タワーズGMは「ナカジマは走攻守だけでなく、精神的にもガッツがあるし、リーダーにもなれる。勝てるチームでプレーすべき選手」と、能力だけでなく、性格面をも高く評価。遊撃だけでなく、レギュラーの三塁手として期待している。デリック・ホール社長も「ぜひとも獲得したい」と明言するなど、ストレートにラブコールを送り続けてきた。

 今回の初交渉は、首脳陣との顔合わせと施設見学の意味合いが強いものの、ダ軍の本気度からすれば、とんとん拍子で進む可能性もある。というのも、ダ軍の内部で中島の評価は、今季のレイズでプレーし、故障のため規定打席不足ながら打率3割2分5厘の成績を残したジェフ・ケッピンジャー内野手(32)と同等にランク。タワーズGMは複数年契約を用意していることを明かしており、2年総額300万~400万ドル(約2億4000万~約3億2000万円)前後プラス出来高払いの条件提示がされる見込みだ。

 その一方で、代理人のグレッグ・ゲンスキー氏は、すでに複数の球団と折衝していることを認めたうえで、長期戦を覚悟している姿勢も崩していない。「いい感触はあるが、まだ時期が早い。FA市場が活発になる来月には、もっと(オファーが)増えるだろう」と話すなど、他球団の動きも見据える構えだ。

 もっとも、昨季、ヤンキースから入札されながら交渉が破綻した中島にとって、メジャー移籍は積年の夢。年俸面などの条件にはこだわっていないとも言われており、その熱意からもダ軍は移籍先の有力候補であることは間違いなさそうだ。