DeNA山口俊投手(25)が24日、今月末に予定されている契約更改交渉で徹底抗戦する決意を示した。下交渉で、今季の年俸1億円(推定)から10%ダウンとなる9000万円を提示されていることが判明。チームは5年連続最下位で厳冬更改が続いている。22セーブ、防御率1・74と結果を残した守護神は、納得するまでサインせず、越年覚悟で交渉に臨む。

 山口の表情には、並々ならぬ覚悟がにじみ出ていた。この日、横浜スタジアムで「あまりに評価が低すぎるな、と。納得するまで話し合いたいと思ってます。いつまでに(サインする)とかは考えていないので、年を越すこともあると思う」。自身の想定と懸け離れたダウン提示に納得できず、一気にまくしたてた。

 守護神として結果を残した自負があった。今季は自己最多の60試合に登板。球団初の3年連続30セーブは逃したものの、チーム46勝の約半分となる22セーブを挙げた。「もちろん順位はあると思う。ただ球団も、まずは個人成績で、と言っていた。やったことはしっかり評価してもらいたい」と主張した。

 5年連続最下位という現実も考慮し、現状維持ならサインするつもりだった。2度の下交渉の席で提示されたのは、10%減の9000万円。理由として説明されたのは、今シーズンの目標だった救援成功率9割に達していないこと。「今季は(成功率)88%で目標に届いていないから、ダウンという評価らしくて」と説明した。

 球団が厳しい契約更改と同時に推し進める大型補強にも言及した。「補強はありがたいですけど、外国人にお金を出すんだったら、生え抜きも大事にしてくれないと。ダメな時はダウンは覚悟している。結果を出した時に上げてもらえないと割に合わない」とまで言った。

 徹底抗戦は、来季も抑えの役目を果たす決意の表れと、後輩のためでもある。「ここで主張しないと、2軍で頑張ってる下の子たちも夢が持てなくなる。そういう思いもあって頑張りたいと思う」。くしくもこの日、横浜スタジアムでは神奈川県内の小学生を対象とした「キッズベースボールフェスティバル」に、コーチ役として参加し、プロ野球選手を夢見る子供たちと触れ合った。今後に夢を持てる言葉を球団から引き出せるか。注目の契約更改交渉は30日に行われる。【佐竹実】

 ◆山口の登板内容

 今季は60試合に登板し、そのうちセーブが付く状況で投げたのは25試合。追いつかれてセーブ失敗が3月30日阪神戦、8月25日巨人戦、9月28日巨人戦の3試合あり、セーブ成功率は88%。他に、同点で登板して勝ち越しを許したのが4月10日ヤクルト戦、7月8日中日戦、9月19日阪神戦の3試合あった。ちなみに、33セーブでタイトルを獲得したバーネット(ヤクルト)は失敗3試合でセーブ成功率92%、岩瀬(中日)は失敗7試合でセーブ成功率83%。