西武が、広島退団が確実なデニス・サファテ投手(31)を獲得することが29日、決定的になった。今季は、シーズン途中から涌井を守護神に配置転換したが、来季は先発復帰することが決定。渡辺久信監督(47)が大石、ドラフト1位の増田、テスト入団のシコースキー、ウィリアムスを候補に挙げる中、さらなる強化へ、昨季35セーブを挙げた実績ある右腕に白羽の矢を立てた。

 守護神不在が、長年のウイークポイントだった。今季は涌井、昨季は牧田を先発から配置転換させてきたが、固定できなかったことが、開幕ダッシュに失敗した原因の1つだった。昨オフ手術した鼠径(そけい)ヘルニアの影響からか、今季は2軍落ちを経験するなど、2勝5敗9セーブ、防御率2・90と大きく成績を落としたが、球団側は再生可能と判断。リストアップした投手の中から、最上位に位置付けた。

 チーム内の競争を活性化させる補強にもなる。シコースキーと基本合意した時点から、球団幹部は「(守護神は)競争になるでしょう。(起用法は)監督が決めること」と明言。渡辺監督は、守護神について「開幕から固定できるのがベスト。浪花節がきくようなやつがいいよね」と独特な表現をしたが、現段階では横一線を示唆する。年齢や実績に関係なく、守護神の座を巡る争いは激しさを増すことになりそうだ。

 ◆デニス・サファテ

 1981年4月9日、米ニューヨーク州生まれ。アリゾナ州立大から01年のドラフト9巡目でブルワーズに入団。06年にメジャー初登板、アストロズ、オリオールズを経て、メジャー通算5勝4敗。11年に広島に移籍し、日本通算3勝8敗44セーブ。193センチ、102キロ。右投げ右打ち。