楽天が、今季までヤンキースでプレーしたアンドリュー・ジョーンズ外野手(35)と入団合意に達したことが7日、分かった。ジョーンズは、過去に来日した外国人選手の中で、最多本塁打となるメジャー434本塁打を誇る。10年連続ゴールドグラブ賞も獲得している超大物。米球界関係者によると、1年契約で契約金、出来高払いを含む総額3億円(推定)。メディカルチェックを経て、正式発表の見込みだ。

 楽天の新外国人は、とんでもない大物だった。メジャー通算434本塁打は、過去に来日した全外国人選手で最多を誇る。通算安打も1933本を重ねる。今季はヤンキースで14本塁打を放っており、紛れもなく、バリバリの現役メジャーリーガーだ。経歴は、輝かしい記録にあふれている。

 まず最年少記録で全米に名をとどろかせた。93年にブレーブス入団。96年に19歳でメジャーデビューすると、その年のリーグ優勝決定戦で本塁打を放ち、ポストシーズン史上最年少本塁打を記録した。ヤンキースとのワールドシリーズでも初戦の第1打席で本塁打を放ち、同シリーズの史上最年少本塁打を更新。さらに第2打席でも本塁打という離れ業をやってのけた。

 翌年の97年にレギュラーに定着すると、98年からは10年連続25本塁打以上を達成。05年には、51本塁打、128打点の2タイトルに輝いた。近年は指名打者での出場が増えているが、98年から10年連続ゴールドグラブ賞を受賞。広い守備範囲と強肩で、メジャーを代表する外野手でもある。06年の第1回WBCではオランダ代表としてプレーし、来年3月の第3回大会の同代表にも選ばれている。

 “史上最強助っ人”獲得は、楽天の来季にかける本気度の表れだ。今季のチーム本塁打52本は12球団最少。チーム最多は松井と牧田の9本で、12球団で唯一2ケタ本塁打の打者が出なかった。本拠地Kスタ宮城の広さを差し引いても、長打力不足は深刻だった。星野監督も「うちは3番、4番がいない」と大砲獲得を補強の最優先事項に挙げていた。三木谷オーナーの意向もあり、外国人選手の補強費を上方修正。米ナッシュビルのウインターミーティングに立花社長が自ら乗り込んだ。同オーナーは「中途半端な選手を取るのはやめよう」と話していたが、結果、総額3億円の大型予算を組み“超”のつく大物獲得に成功した。

 ジョーンズは、米球界の親しい関係者に「東北で新しい自分の野球人生が始まることに興奮している」と喜びを伝えたという。来季、最低でもCS出場を目指す星野楽天に、極めて強力なピースが加わる。