ブランコ獲得でブランコ設置!?

 DeNAは11日、中日を自由契約となったトニ・ブランコ内野手(32)の獲得を発表した。2年契約で年俸は2億円プラス出来高5000万円で総額5億円。身体検査終了後に正式契約する。背番号は42。球団側は、名前に引っかけて遊具のブランコを本拠地の横浜スタジアムに設置することを検討。戦力強化だけでなく、子どもたちが喜んで球場に足を運べるように日本通算111発の大砲の“力”を借りるつもりだ。(金額は推定)

 中畑監督らが待ち焦がれた大砲ブランコの加入が決まった。DeNA高田GMは「ケガなく1年やれれば本塁打王を狙える。(1、2打席目で三振しても)3打席目で本塁打を打てる。一発で展開をガラッと変えてくれる(ヤクルトの)バレンティンと同じくらいの怖さがある」と笑顔を見せた。今季のセ・リーグ本塁打王を引き合いに出し、来季は、12球団ワーストのチーム打率の打線に厚みが増すと胸を張った。

 DeNA春田オーナーは今季終了後、中畑監督らに来季のクライマックスシリーズ出場を厳命。その一方で補強での全面支援の方針を明確にしていた。ブランコらは補強の最優先事項としてシーズン終了直後から調査を開始し、11月30日の自由契約公示から一気のアプローチで獲得に成功した。その喜びの空気は球団内に広がった。楠本広報部長からは「ブランコを獲得したので、ブランコの設置を考えています」と冗談のようなプランが飛び出した。ダジャレかと思いきや大まじめ。遊具の設置で、子供の集客を増やしたい狙いがある。横浜スタジアムのグッズショップ前やイベントスペース「YYパーク」などへの設置を検討中だ。

 DeNAは「コミュニティボールパーク」というテーマで横浜スタジアムの施設改修を進め、イベントなどを通じて地域住民らとの交流に積極的に取り組んでいる。楠本広報部長はすでに可動式のブランコを所有していると明かすなど、ブランコ設置は以前から温めていたプランのようだ。横浜スタジアムは横浜公園内にあるため、遊具の設置には横浜市の許可が必要となる。同市の担当者は「常設(のブランコ)は難しいですが、移動式で一時的なものなら可能です」と話しており、交渉次第では一気に話が進む可能性がある。

 楠本広報部長は「ブランコ選手が活躍して、ブランコに揺られてヒーローインタビューなんていいですね~」。早くも設置後の青写真を描いていた。【島根純】

 ◆トニ・ブランコ

 1980年11月10日、ドミニカ共和国出身。99年にレッドソックスと契約。メジャー経験は1年56試合で1本塁打、7打点、打率1割7分7厘。09年に中日入団。1年目に39本塁打、110打点で、2部門のタイトル獲得。188センチ、102キロ。右投げ右打ち。