「ゴジラ」の次は「ジャイアン」の時代が来る!?

 日本ハム中田翔内野手(23)が7日、大阪府吹田市内のグラウンドで、阪神西岡剛内野手(28)らとの合同自主トレを公開。日米両国で活躍し、惜しまれながら引退した“日本最強の4番”松井秀喜氏(38)を引き合いに「近づきたいし、追い抜きたい」と新年の誓いを立てた。4番として2度目のシーズンを迎える今季。日本ハムの2連覇はジャイアン中田のバットに懸かっている。

 黄金色に染め上げた丸刈りに、褐色に焼けた肌。日本ハムの“ガキ大将”は、新年早々、オーラむんむんでグラウンドに姿を現した。恒例となっている大阪桐蔭の先輩、阪神西岡らとの合同自主トレ。内外野でのノックやゴロ捕球など真剣に、時には笑顔で、充実した時間を過ごした。

 第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の日本代表候補にも選ばれた今年は、国際舞台を経験するチャンスだが、代表入りを目指しながらも「気負わず無欲に、自然体で自分の力を発揮できれば」と、照準はあくまでシーズンと強調する。年末年始も無休で、地元広島を拠点にトレーニングを積んできた。「今までと調整法を変えたわけじゃないけど、今回は体が思っていたより動いていた」と、昨年末にはすでに今年へ向けてのフリー打撃を開始。「日本一を逃して悔しかったから、同じ場所でやり返してやろうという気持ちが強い」と、リベンジに燃える13年シーズンへ手応えを感じているようだ。

 栗山監督が、新たな課題を与えてくれた。大みそかに「松井秀喜の道を歩んで欲しい」と、中田に注文。巨人、米大リーグのヤンキースなどで活躍した“日本最強の4番”のごとく、大舞台やチャンスで力を発揮し、チームを支える存在に-。「1日でも早く監督が理想とする打者になりたい。4番への意欲やこだわりが出てきた。他の選手に4番を打たせる気にならないので、先輩方の理想とする4番に早くなりたい」と誓いを新たにした。

 名選手にはゴジラ=松井のように愛称がつきものだ。現在、愛称のない中田だが、本人は「ん?

 ジャイアン」と間髪入れずに即答した。威圧感抜群で暴れん坊ながら、義理堅く、面倒見のいい親分肌。特に映画など長編ものでは、ピンチに陥ったのび太やドラえもんを助ける場面も多い。“永遠のガキ大将”のイメージは、中田にぴったりだ。「松井さんは雲の上の存在。プレースタイルとか近づきたいし、追い抜きたい」。世界を股にかけて暴れたゴジラの次は、ジャイアンが時代を作る。将来の目標を、しっかりと定めた。【中島宙恵】