ロッテのドラフト3位、光星学院の田村龍弘捕手(18)が“脱・藤浪”を宣言した。8日、さいたま市内の選手寮に入寮した。甲子園でしのぎを削った阪神ドラフト1位の大阪桐蔭・藤浪晋太郎投手(18)をライバル視する発言を繰り返してきたが、年が明けて心境が変化。「高校ではライバルだったけど、プロでは藤浪がトップじゃない。あまり意識せずにやっていきたい」と強調した。

 目標を高く設定することで、成長の糧にしてきた。プロ入りして「藤浪よりもっと(実力が)上の選手がたくさんいる。そういう人たちの背中をついていきたい」と話し、広島前田健、楽天田中、巨人内海らの名前を挙げた。一線級のボールを打ち返すべく、日本ハム二岡モデルのグリップ、巨人村田モデルのヘッドの特徴を組み合わせたニューバットで、年末年始も無休で振り込んできた。

 プロ1年生として、冷静に自分の足元を見つめる。「まだ1軍レベルじゃない。体力は自信がないけど、技術面でアピールしたい」と抱負を語った。藤浪とはメール交換する間柄だが「新しいアドレスを教えてくれと言われたけど、無視してました」と“藤浪断ち”していたことも明かした。甲子園のライバル関係は一時封印。センスあふれる打撃で、チーム内競争に全力を注ぐ覚悟だ。【柴田猛夫】

 ◆藤浪対田村メモ

 大阪桐蔭と光星学院は昨年3度対戦している。春、夏の甲子園決勝と国体で対戦し、3度とも大阪桐蔭が勝った。甲子園決勝の藤浪は春、夏ともに完投、国体は8回からリリーフで登板。2人の対戦成績は、春が遊併、中2、中安、三ゴ、中安の5打数3安打、夏は三振、三振、左飛、中安の4打数1安打。国体では田村が9回に右翼フェンス直撃の二塁打を放ち、通算は10打数5安打の打率5割。