西武石井一久投手(39)が28日、先発投手陣の絆を深めたエピソードを紹介した。今月、約2週間滞在したハワイ合同自主トレでの出来事。「ワイキキで僕がサイフを落とした時、一緒にいた岸、涌井、牧田が街の中を走り回って捜してくれた。ごみ箱の中もあさって、雄星(菊池)は英語ができないのに外国人に話しかけて。汗だくになって捜してくれた」。執念が届いたのか、約1時間後、幸運にも無事に財布が見つかったという。

 そんな後輩たちの姿に心を動かされた。「西武を去るまでに、何かを残してあげたい」という思いが一段と強まった。この日も、都内で自主トレをともにした菊池には「マウンドで落ち着きがない。バッターに何かイヤだなと感じさせることが大事。対戦する前に優位に立つ。それなりのボールを持ってるわけだから。そろそろ西武的にも出てきてもらわないと困る」などと伝え、これまで以上に踏み込んでアドバイスした。

 日米通算200勝まであと18勝に迫るが、個人記録には執着がない。9月で40歳。年下の選手に慕われるレオの兄貴は「野球をやる以上、長く一流でいてほしい」と親心の心境だった。