監督の初カミナリが落ちた。楽天高堀和也投手(25)が5日、沖縄・久米島キャンプでフリー打撃に登板。今年初めて打者を相手に投球を行ったが、制球に苦しんだ。ストライクがほとんど入らず、見守った星野監督に一喝された。9日から始まる紅白戦で巻き返す。

 自分の投球を見失った。高堀はジョーンズ、マギーの新外国人選手2人に登板したが「何が何だか。全然、ダメでした。自分でも笑っちゃうぐらいです」と、ストライクが入らなかった。ジョーンズには25球中13球、マギーには23球中8球がボール。フリー打撃は打者のための練習。打撃投手として、ストライクを投げなければいけないのに、全く務めを果たせなかった。

 降板後、待っていたのは星野監督の一喝。「練習にならん。ポンポン、ストライクを入れんでどうする!!」。今キャンプで監督が声を荒らげたのは初めて。キャンプ5日目にして、ついにカミナリが落ちた。

 原因は分かっていた。「ブルペンからおかしかった。下半身が使えず、腕だけで投げてしまった」と結果を受け止めた。一方で、成長も実感した。「去年までだったら、怒られただけで気持ちが沈んでしまったと思う。今は違います。紅白戦で、やり返そうという気持ちです」と言い切った。昨季1軍デビューした自信が、精神の成長を生んだ。

 厳しさを見せた星野監督だが「高堀が出てきたのは大きいよ」と買っている。高堀は「紅白戦までには、おかしいところを直します」。落ち込む暇はない。汚名返上する。【古川真弥】