中日新外国人の4番候補、エクトル・ルナ内野手(33=パイレーツ3A)が8日、3割、20本塁打、80打点を誓った。キャンプ地の沖縄・北谷公園野球場で入団会見。深夜の来日翌日にもかかわらず練習に志願参加した助っ人は、ブランコ級の活躍を約束だ。ところが期待の大きい高木守道監督(71)はダメ出し。欲深過ぎませんか、守道さん?

 7日の深夜にやってきたポスト・ブランコが、10時間後にはグラウンドで暴れ回っていた。内野ノック、室内でフリー打撃…。午後からの入団会見より先に、志願の練習で自己紹介だ。ドミニカ共和国から22時間かけて長旅来日した前日は、高木監督の手配で那覇空港からリムジンに乗り、夜中12時過ぎに宿舎で出迎えも受けた。期待の高さに応える覚悟をにじませた。

 ルナ

 昨夜の歓迎ぶりはうれしかったよ。目標は3割、20本塁打、80打点。チャンスに強い自信はある。野手の間を抜くイメージで、広角に打てる。もちろん甘い球はホームランにする。

 メジャー15発の中距離砲は自己ノルマも設定。昨オフ参加したドミニカ共和国のウインターリーグで3番を張り、打率3割3厘、7本塁打、25打点の成績でMVPを獲得。メジャー通算555発を誇る4番のマニー・ラミレスを抑えての勲章で、自信を深めていた。

 マルチな男もアピールした。最も得意なポジションは三塁だが「二塁も一塁も外野もOK」。内外野3種のグラブと近日中に届く一塁ミットの4つを使い分ける。さらに「この体格で走らないと思うだろうけど走れるんだ」と、60ヤード(約55メートル)6秒6の俊足も自慢。187センチ、99キロの巨漢が走攻守で守道竜のV奪回に貢献する意気込みだ。

 あまりのハッスルに高木監督も仰天だった。「どうぞ、今日は好きなようにやったらエエとは言うたけど」。だが「3割20発80打点」の目標を聞くとにやり。「もうちょっと打ってほしいな。本塁打も打点もね」。3割20発80打点でも堂々たる成績だが、真夜中に宿舎で出迎えるだけあって、期待は大きく3割30発100打点?

 守道流のダメ出しで、ブランコに代わる4番候補にハッパをかけた。

 ルナ

 パワーではブランコにかなわない。でも僕はミートには自信を持っている。ブランコはブランコ、ルナはルナさ。4番でも何番でも打つ自信はある。

 同郷のブランコとは同年代の顔見知り。ともにメジャーを目指した間柄だ。運命のイタズラで代役を期待されるが、守道監督を喜ばせる使命を果たしてみせる。【松井清員】

 ◆エクトル・ルナ

 1980年2月1日、ドミニカ共和国生まれ。99年インディアンスと契約。04年カージナルスでメジャーに初昇格し、4月8日ブルワーズ戦でデビュー。昨季はフィリーズで28試合に出場し、打率2割2分6厘、10打点、2本塁打。家族は夫人と1男3女。血液型B。趣味は映画鑑賞。187センチ、99キロ。右投げ右打ち。