西武十亀剣投手(25)が新球フォークを駆使して“7連続三振”を記録した。17日の斗山(韓国)戦に先発し、3回を1安打無失点。1回1死から6者連続三振の後、四球をはさんで次打者からも三振を奪った。圧巻の内容に、キャンプ視察に訪れた後藤オーナーが「十亀、岡本といった若い投手がいい投球を見せてくれた。来たかいがありました」と収穫を語り、飛躍への期待をこめた。

 2年目右腕の課題は決め球だった。「三振をとるボールがない」とフォーク習得に取り組んだ。浅く握るスプリット系がフィット。この日最速144キロの直球と同じ腕の振りで、縦の変化が加わって横スライダーがさらに生きた。もともと投げっぷりがよく、相手打者を手玉にとって「フォークのメドが立ちました」とうなずいた。

 昨年はデビューから無敗の6連勝でシーズンを終えた。パ・リーグ記録は稲尾(西鉄)愛敬(楽天)の8連勝。負けないための思考を、野球以外のジャンルから吸収している。水泳の北島康介、ゴルフの石川遼、先日はキャンプ宿舎で将棋界のトップスター羽生善治の著書を読み終えたばかり。「将棋は日々進化している。自分も進化しないといけない」という言葉を野球に置き換え、胸に刻んだ。

 不敗記録には「あと2つですよね。1度しかチャンスがないので、少しでも長く継続できれば」と闘志を燃やす。プロ野球記録は堀内(巨人)の13連勝。2年目の進化・フォークをひっさげ、記録に挑む。