日本ハムのドラフト1位、大谷翔平投手(18=花巻東)が21日に予定されている打撃投手で真剣勝負を挑む。春季キャンプ休日だった18日、ランニングなどで調整したスーパールーキーは、プロの打者との“初対決”に向けた狙いを明かした。「ストレートでしっかり、ファウルを取りたい」。野手にとっては打撃練習の一環だが、気持ちよく打たせようとする気持ちは、一切排除するつもりだ。

 投手・大谷としての現在地を確認する。「プロのバッター相手なので、簡単に前に飛ばされると思いますけど、投げてみてから確かめたいです」。最速160キロの直球が、プロに通用するのか。投球の軸になる真っすぐの威力はカーブやスライダー、カットボールなど多彩な変化球を生かすポイントになる。「勢いがあれば(ファウルは)取れると思います」と、自信を見せた。

 打者・大谷としては現状が浮き彫りになった。前日17日は紅白戦(国頭)で上々の実戦デビューを飾った。4打数2安打で好走塁も見せるなど活躍したが「課題も多かった。言ったらキリがないです」と、自己評価は厳しい。本人が挙げたのは変化球への対応だ。空振り三振を喫した第4打席は、直球とチェンジアップのコンビネーションにやられた。フルスイングはしたが「ワンテンポ、待てなかった」と、しっかり反省点を認識していた。

 2軍の春季キャンプは今日19日から最終クールに突入する。「ここまで、ケガなく来ているのは良かったと思います」。打者デビューで非凡な才能を見せた大谷が、次はいよいよ投手としてベールを脱ぐ。【木下大輔】