コンちゃんで巨人に白星発進や~!

 阪神の新外国人ブルックス・コンラッド内野手(33=レイズ)が「G倒」に貢献した。20日の練習試合巨人戦(那覇)に6番指名打者で出場。2四球1安打で3打席連続出塁を決め、2回には激走で同点のホームを踏んだ。昨季5勝15敗4分けと大敗した相手に、機動力を見せつけて4-2で勝利。今年の猛虎はちょっと違うぞ。

 コンちゃんは、いつでも一生懸命だ。2回無死、野原の左翼線二塁打で一塁走者コンラッドが激走した。フルカウントから無条件でスタートを切った。太い腕、たくましい足でグングン加速。同点のホームを踏むと、虎のベンチは笑顔で沸いた。曇り空の那覇、先制されたどんよりムードを「コンちゃん走り」で切り裂いた。

 コンちゃん

 できるだけ先まで行こうという意識だね。捕られても、時間的に戻れるところまでは全力で走る。あとはサードコーチの判断に委ねるよ。ベースランナーとして、しっかりしたいから。

 激走前は揺さぶった。思わせぶりなリードで巨人松本竜からもらったけん制は4度。ユニホームは真っ黒、息が整っていなくても歯を食いしばりながら見せた必死のランだった。

 走って、選んで、打った。3回の第2打席も、1ボール2ストライクから2打席連続で四球を選んだ。低めを見極めて「向こう(米国)と変わらず公平。ストライクを振って、ボールを見送ることができている」。5回の第3打席は、江柄子(えがらし)の外角138キロを力強く右前へはじき返した。3打席連続出塁でムードも変える。指揮官の評価も上がりっぱなしだ。

 和田監督

 ヒットを打った打たないより、選球眼だね。追い込まれてから落ちる球を見極めていた。あれは大きな武器になる。いいもの見せてもらった。一生懸命さ、アグレッシブさが持ち味の選手だよ。

 「永遠のライバル」のはずが昨季は巨人に借金10、31・5ゲーム差もつけられた。若手中心の練習試合とはいえ、どこよりも負けられない相手に13年初対戦で快勝。第1打席に入る際、審判に「こんにちは」とスマイルであいさつしたコンちゃんが、存在感抜群のG戦デビューを果たした。【近間康隆】