鉄壁の日本ハム救援陣は今年も健在だ。昨季セーブ王の武田久投手(34)、ホールド王の増井浩俊投手(28)、宮西尚生投手(27)、石井裕也投手(31)の4投手が21日、沖縄・名護で行われた韓国・ネクセンとの練習試合で実戦初登板。4人で計4イニングを投げ、失ったのはソロ本塁打による1点のみだった。

 栗山監督が「ビッグ4」と期待するリリーバーが、そろって順調な仕上がりを見せた。6回、先陣を切って宮西がマウンドへ。入団以来5年連続で50試合以上登板を続けている鉄腕サウスポーは、2三振を奪って無失点。7回を任された石井は先頭打者に1発を浴びたものの、アウト3つはいずれも三振という豪腕ぶりだった。

 2人の中継ぎ左腕が好投した後は、タイトルホルダー2人が登場。昨季ホールド王の増井が8回、9回はセーブ王の武田久が、ともにパーフェクト投球で締めた。増井と武田久が掲げたテーマは直球の精度。「今の段階では上出来」(増井)「両サイドに直球がしっかり投げられた」(武田久)と、本人たちも納得の初実戦となった。

 「あの4人には、全幅の信頼を寄せている。このチームの肝だから」と栗山監督。例年よりも早い仕上がりを見せた「ビッグ4」に「彼らが出てくるとホッとする。(顔が)にやけてしまうよ」と指揮官の声もはずんだ。オフに2人の3割打者が他球団へ移籍し、今季は得点力低下が懸念される。チーム浮沈の鍵は、ブルペンが握っていると言ってもいい。「今まで以上に守り勝つ野球が必要になる。後ろ4人で守り勝たないと」。頼もしい宮西の言葉が「ビッグ4」の活躍を予感させた。【中島宙恵】