オリックスよりも、花粉に戦々恐々!?

 阪神ドラフト1位藤浪晋太郎投手(18=大阪桐蔭)に「難敵」が現れた。今日2日の練習試合オリックス戦(安芸)でのプロ初登板を控えた1日、甲子園で鼻をズルズルさせながら練習。花粉症であることを明らかにした。花粉の飛散量が気になるところ。待ちに待ったプロデビュー戦。思わぬ敵とも戦うことになりそうだ。

 一塁側ブルペンに向かう前、思わず大きな背中を震わせた。ハックショーン、ハックショーン!

 鼻をムズムズさせた藤浪はくしゃみを連発。今日2日のプロデビューを控え、思わぬ“アクシデント”だ。ロッカーへ引き揚げる直前も、鼻をズルズル…。流行中のインフルエンザではなく、花粉症だった。「大丈夫だと思います。気にしていても仕方がない。薬を飲みます」と苦笑いを浮かべた。

 初陣は2イニングを投げる予定だが、好調なオリックス打線よりも安芸の花粉が敵になるかもしれない。中西投手コーチも「花粉症がひどいから(登板は)回避や!」と冗談を飛ばした。球場周辺は山で2月中旬以降、花粉の飛散量が激増するのだ。高知県健康政策部医事薬務課も「雨の日の翌日は花粉が多くなる傾向があります。高知では今ごろ、3月上旬がスギ花粉のピークです」と説明する。この日の高知は雨で、まさにダブルパンチの悪環境だ。あくまで薬で症状を抑える考えだが、思わぬ難敵になりそうだ。

 ただ、プロの猛者との対決を前にしても落ち着き払っていた。オリックスは主砲のT-岡田、坂口ら主力が出場する予定だが、豪華メンバーにもひるまない。

 「特に意識していないですね。タイガースでも主力で名前の知られている打者とシート打撃で対戦していますし、気にしないですね」

 この日はブルペンで45球を投げ、スタンバイOKだ。中西コーチは「思い切って行ってもらうだけ。結果は関係ないよ。こっちは見るだけ。観察する側」と話す。結果を度外視し、先発ローテーション投手の調整として位置付けるVIP待遇だ。和田監督も「(求めるものは)何もないよ。思う存分、投げてくれたら」と言う。ちょっぴり花粉は心配だが、未来のスーパーエースへの第1歩を刻む。【酒井俊作】