<オープン戦:日本ハム4-5楽天>◇21日◇東京ドーム

 楽天ナインも衝撃を受けた。8回から登板した日本ハム大谷翔平投手(18=花巻東)に対し、1安打も無得点に抑えられた。嶋基宏捕手(28)は鋭いスライダーに体をのけぞらせての見逃し三振。昨秋ドラフトで楽天も1位候補に挙げた逸材に、最速157キロの直球を軸に真っ向勝負を挑まれ抑えられた。

 日本ハム大谷に見逃し三振を喫した嶋は、二刀流ルーキーの力を素直に認めた。「(直球は)速いですよ。(スライダーは)ブレーキがかかっていて、インから来て体をのけぞってしまった。キレがあります」。8回1死二塁。初球は外角高め156キロを空振りした。「最近(対戦した投手)の中では、一番速いと思いました」というスピードを体感した。

 2球目は真ん中低めに156キロを決められ、見逃しストライク。早くも追い込まれた。3球目154キロはファウルでしのぐ。4球目で初めてスライダーが来た。「ダルビッシュのようにブレーキのかかったスライダー」に思わず反応した。体をのけぞらせたが、ボールが収まった先は真ん中だった。内角に来ると“錯覚”させられるほどのキレ。苦笑いでベンチに下がった。

 キレに加え、力もあった。続く鉄平は3ボールから150キロを打ちにいったが捕邪飛。力勝負に敗れ「速いなという印象。今年一番だと思う。高卒1年目で、あれだけ投げられるのはすごい」と同じく素直に力を認めた。さらに「(投手で)ダルビッシュと(野手で)糸井さんみたいになったら脅威です」と、2人を引き合いに出した。

 打者としても、力を認めた。8回無死二塁。小山伸の初球の直球を引っ張られた。進塁打となる一ゴロに、マスクをかぶった嶋は「いきなり140キロの球を引っ張る。初球からいく勇気がありますね」と感じ取っていた。

 星野監督は「うちの選手じゃないから」と批評は控えたが、鉄平の捕邪飛には「情けない」とピシャリ。昨秋ドラフトでは、楽天も大谷を1位指名候補に挙げていた。投打にわたり能力の高さが伝わってきた初対戦だった。【古川真弥】