楽天田中将大投手(24)がソフトバンクとの開幕戦(29日、ヤフオクドーム)の先発を回避することが22日、分かった。エースとして開幕投手の大本命だったが、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)出場による負担を考慮された。2カード目の4月2日からのオリックス3連戦(Kスタ宮城)にまわり、本拠地開幕戦の先発を務めることが濃厚。シーズンの開幕投手は、来日2年目ブランドン・ダックワース投手(37)が最有力となっている。

 エースを開幕投手にしない。シーズンをトータルに考えての結論だった。田中は開幕投手の大本命だったが、最終決定はWBCから帰国するまで持ち越されていた。19日に帰国し、21日に練習復帰した際、佐藤、森山両投手コーチと話し合った。登板日を確認し、この日までに星野監督にも報告された。実戦登板は、日本時間15日に米アリゾナで行われたジャイアンツとの練習試合が最後。予定されていた同20日の決勝先発がなくなり間隔は十分だが、4月2日から始まる2カード目にまわることになった。

 田中の帰国前から、星野監督は「1回投げても後がダメだったら、どうしようもない。その後も考えないと。コンディションを見ないといけない」と体調を最優先させる考えを示していた。田中本人は「次は日本一を目指して、シーズンを通して自分の仕事ができればと思う」と気持ちは切り替わっている。ただ、WBC出場で、例年より約1カ月早く調整。本戦では先発に加え、本来の持ち場と異なる中継ぎも担った。フル回転による疲労は少なくないだろう。また、WBC球から統一球に戻ることで「また(ボールに)慣れないといけない」と話した。登板を1カード遅らせることで、調整の時間が増える。

 2カード目初戦の4月2日オリックス戦(Kスタ宮城)先発が濃厚だ。“本拠地開幕戦”の先発は3年連続5度目となる。特に、東日本大震災があった11年は、4月29日オリックス戦で1失点完投勝利。震災で沈んだ東北を大いに元気づけた。地元ファンに愛される田中にとって、仙台の開幕投手もふさわしい持ち場と言える。今日23日の巨人戦では、2番手以降で数イニングの予定。実戦調整を経て、仙台開幕へ備える。

 シーズンの開幕投手は、ダックワースが最有力となった。ここまで対外試合4試合で19イニング無失点と、安定感は抜群。今日の巨人戦に先発し、中5日で29日の開幕戦を迎える。球団創設9年目で初めて、外国人が開幕投手となる可能性が高い。

 ◆楽天の開幕ローテーション

 開幕投手のダックワースに続き、2戦目は釜田が有力。星野監督は「(同い年のソフトバンク)武田と投げ合わせたら面白い」と、19歳右腕対決を提案する。3戦目は、24日の巨人戦に先発予定のルーキー則本が中6日で先発しそうだ。2カード目は、田中の後は美馬が有力。2軍調整が続いたが、オープン戦初登板となった21日の日本ハム戦で5回無失点と結果を出した。辛島が左肘痛で離脱したため、先発6人目は未定。戸村が有力だが、永井、菊池も候補に挙がる。