<オープン戦:ソフトバンク3-4広島>◇22日◇ヤフオクドーム

 ソフトバンクの新外国人ヴィセンテ・パディーヤ投手(35=レッドソックス)が日本仕様への適応を済ませた。開幕前ラスト登板は6回1/3を4失点。しかし、3回1死二塁の場面で、捕手、野手と連係した二塁けん制をするなど、課題のサインプレーをクリアした。

 「球数もイニングも多く投げたし、シーズンに合わせて調整できた」。3回終了後、球審の白井審判員を通じて広島野村監督から“抗議”されたセットポジションでグラブが開閉する癖もすぐに解決してみせた。

 キャンプ中はサインを理解できず、練習が中断することもしばしば。「日本はサインが多い。時間がかかる」と頭を抱えていたが、問題のないことを実証。秋山監督を「落ち着いて投げているし、大丈夫だよ」と安心させた。高山投手コーチも「けん制のサインもだいぶいい。1つ1つ、これがダメと分かると日本野球に適応できる」と、試合中の癖修正も評価した。

 緻密な日本式に適応し、開幕2戦目の30日楽天戦(ヤフオクドーム)での先発が有力だ。WBC開催直後と異なる軟らかなマウンドにも「前回(のヤフオク)とは違って、球速が落ちたね。足元が気になった」と言いながら、最速150キロを出した。「ワクワクしているよ」。メジャー108勝を誇る男の準備は、もう終わった。【押谷謙爾】