<西武4-2日本ハム>◇30日◇西武ドーム

 日本ハム栗山英樹監督(51)が、不発に終わった大谷翔平投手(18)への代打策を悔やんだ。1点を追う6回1死一、二塁の好機、大谷に代打二岡を送り流れを変えにいった。交代がアナウンスされると、球場全体がざわめいた。

 まだ試合中盤で、相手投手の岡本篤は右腕だったが、左の大谷ではなく右の代打を選んだ。この理由について、栗山監督は「ニィ(二岡)で一発勝負、代打を出せる場所だと思った。(大谷)翔平だからというのではなく…」と説明。二岡は昨季までの3年間で岡本篤に4打数3安打というデータもあった。開幕戦で2安打した大谷の勢い十分の若さではなく、実績を基準にした。時に感性重視で采配するが、定石通りに動いた。

 二岡は中飛に倒れ、無得点。栗山監督は結果論ながらも、潔く陳謝した。「敗因はそこにある。完全に監督の読み違いで、みんなに迷惑をかけた」。大谷が4回の第2打席で菊池の厳しいボールを3度ファウルするなど、食い下がった。その打席は「思った通りの反応をしていた」と評価はしていたが、局面は託しきれなかった。「まぁ、まぁ…。申し訳ない」。開幕スタメンに抜てきした信念が一瞬、揺らいだからなのか-。栗山監督は、最後まで後ろ髪をひかれていた。【高山通史】