<中日8-3DeNA>◇3月31日◇ナゴヤドーム

 33年ぶりの開幕3連敗を阻止した中日高木守道監督(71)もほっと一息だ。先発野手全員の13安打で8得点。「いやあ、よかった。3つなんてよっぽどしか負けんよ。ひとつ勝って気分も随分変わる」。練習試合やオープン戦も含め、今年11戦目での対セ・リーグ初勝利。やっとご機嫌の守道節だ。

 低調打破へ激しいタクトを振るった。「2試合見て選手の動きが硬かった。じゃあメチャクチャ動かすことで動くようにしようとね」。初回無死一塁で荒木に出したサインはバントではなくエンドラン。最悪の併殺となってもめげず、2回には投手の山内にセーフティースクイズを命じて追加点を奪った。次の大島に出した連続スクイズは空振りで失敗したが“動の采配”で低調打線を呼び覚ました。

 「でも試合中はカッカして怒鳴りっぱなし。大島の空振りとかチグハグなミスも多い。これじゃ、このあと勝っていけん」。ほころびの指摘も忘れなかったが、2カード目に戦う阪神の連続完封負けを聞くとニヤリ。「そりゃよかった。これが正直な気持ち。強いタイガースだから、しばらく眠っといてくれると助かるんだけど」。さあ弾みをつけて虎退治だ。【松井清員】