投打二刀流に挑戦している日本ハムのドラフト1位大谷翔平投手(18)が、“分業調整”となる。栗山英樹監督(51)はロッテ戦(QVCマリン)が雨天中止となった2日、コーチミーティングを行い、大谷の投手としての調整法を根本的に見直し、ブルペン入りの回数に制限を設ける考えを固めた。重要な戦力になっている「打者・大谷」の負担を減らすために、練習メニューのバランスを取って打者専念の日を多くする一方、ブルペンで100球近くを投げる「投手専念日」をつくることになった。

 すでに1軍の主力となっている「打者・大谷」のコンディションを整えるため、「投手・大谷」の育成プランにメスが入った。担当コーチらと協議をした栗山監督は「(調整プランの)全部を変えた。根本的な部分を練り直しました」と明かした。

 先月29日の開幕戦(対西武)でマルチ安打&打点デビューを飾り、同31日の第3戦でも変化球を芯でとらえ(三塁ゴロ)、非凡な才能を見せた大谷。その第3戦の試合前には、ブルペン入りして75球を投げ込み、体調面を考慮してスタメンから外れていた。指揮官は、3日に1度のペースでブルペン入りしながら打者として出場を続けることに「オレが心配」と不安視し、「あんなに球数がいるのか…」と疑問を持った。

 このまま進めば両方が中途半端になってしまう危険性もあることから、ブルペン入りする回数を減らし、打者に専念させる日を多くする見込み。二刀流挑戦を断念するつもりはなく、「投手・大谷」として調整する日は、キャンプ中にもなかった100球近い投げ込みを敢行。投手の日は投手、打者の日は打者と、色分けして実力を磨いていく。

 大谷はロッテ戦が雨天中止となったこの日、全体練習後に居残りで外野手としての送球練習をこなした。「投手の投げ方の延長」(中垣トレーニングコーチ)だったものを修正。外野手の足の運び方などを学び、「(投手と違って)助走も入ってくるし、上体が遅れないようにしたいです」と反復練習を繰り返した。

 11日のイースタンリーグ・ロッテ戦(ロッテ浦和)が有力とみられる先発デビュー日については、変更がない見込み。大谷は「今日はしっかり練習できたのでよかったです。こないだ(西武3連戦)は負けたので、しっかり勝てるように準備したいです」と、打者として、今日3日のロッテ戦(QVCマリン)へ向けて気持ちを高めていた。【本間翼】