日本ハム大谷翔平投手と阪神藤浪晋太郎投手(ともに18)が、14日に都内で行われるIBAF(国際野球連盟)の総会に“参加”することが7日、分かった。総会には約80カ国・地域の野球連盟首脳が集結し、20年夏季五輪での競技復活に向けて論議する。2人はビデオ出演し、復活への機運を盛り上げる。20年五輪の実施競技は5月のIOC(国際オリンピック委員会)理事会で絞り込まれ、9月のIOC総会で決定する見通し。次世代の日本代表を背負う2人が、一役買うことになった。

 日本球界に新風を吹き込んでいる大谷と藤浪が、野球の五輪復活に一役買うことになった。14日に都内で開催されるIBAF総会にビデオ出演し、競技復帰に向けてアピールする。

 IBAFと国際ソフトボール連盟(ISF)は昨年10月、五輪の実施競技への復帰を目指して、両競技を統括する「国際野球ソフトボール連盟(WBSC)」の設立を決めた。13日から2日間にわたって行われるIBAF総会は、世界から約80カ国・地域の各連盟首脳が集結。これまで日本開催についてIBAFリカルド・フラッカリ会長は「日本をはじめアジアの野球はインターナショナルな役割を考えると影響力が大きい」と説明。最大懸案は競技種目から除外されている五輪問題で、復活活動の“顔”となるべき人材のリストアップを続けていた。

 当初、元大リーガー野茂英雄氏ら過去の五輪経験者の人選も検討された。しかし、20年に野球・ソフトボールが復活した際、代表として日の丸を背負う可能性のあるフレッシュな人材を重視。白羽の矢が立ったのが、次世代の代表候補になる大谷と藤浪だった。

 2人は昨秋、18歳以下が出場する18U世界選手権(韓国)に参加した。チームこそ、6位に終わったが、大谷が4番、藤浪がエースで日本代表を支えた。これまで藤浪が「お互い日本代表に選ばれるような選手になれれば、また一緒に代表のユニホームを着られるのでうれしいと思います」と話したようにジャパン入りには意欲的だ。

 すでに日本ハムと阪神は協力を了承済み。総会参加はシーズン中ということで見送られ、今回はビデオ出演となる。ただ、今後の活動にも積極的に起用される方向だ。

 ◆20年夏季五輪実施競技決定までの流れ

 IOC理事会が決めた25の「中核競技」と、16年リオデジャネイロ五輪から採用されるゴルフ、7人制ラグビーの計27競技は20年夏季五輪での実施が決まっている。残りは1枠あり、争っているのは野球・ソフトボール、空手、ローラースポーツ、スカッシュ、スポーツクライミング、ウエークボード(水上スキー)、武術とレスリングの8競技。5月に開催されるIOC理事会で1競技または複数に絞り込まれ、20年五輪の開催地も決まる9月IOC総会で候補競技を新たに追加するかどうか、投票で決める。