<日本ハム0-11西武>◇21日◇札幌ドーム

 日本ハムは屈辱的大敗で、3カード連続負け越しとなった。投手陣炎上で大量11失点し、打線は5安打に抑えられて今季3度目の零封負け。栗山英樹監督(51)は明日23日のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)から、左膝手術で出遅れていた金子誠を合流させることを決めた。状態をチェックし、24日にも出場選手登録する見込み。腹直筋を痛めていた武田久も復帰予定で、心強いベテランの存在を巻き返しの起爆剤にする。

 「ヤル気あるのか~!」「コーチを代えろ!」…。これまで温かかった本拠地・札幌ドームのスタンドから、何度もヤジが飛んだ。大量11失点&今季3度目の零封負け。試合終了から1時間15分を経過し、ようやく姿を見せた栗山監督は「こういう試合を2度としないんだという思いで野球をやっていた…。ファンの皆さんに申し訳なかったけど、これを生かせるように頑張っていく」と悲壮感を漂わせた。

 3回に2点の先制を許した先発の谷元が、5回途中でピンチを招いて降板すると、代わったルーキー鍵谷が四球を挟んで3連打を浴びた。3番手河野、4番手でマウンドに上がった榎下もことごとく失点。3回の稲葉を皮切りに3つの失策も絡むなど、堅守で勝利をつかむ「常勝野球」は完全に失われていた。

 一方の打線も、得点力不足は深刻。昇格即スタメンの谷口、背中の張りで欠場中の大引に代わって遊撃を守る中島が安打を放ったが、吹きかけた新風は“微風”。3回から7回までは1人の走者も出すことができず、3月31日の対戦で敗れている西武十亀に、今度は初完封勝利を献上してしまった。

 栗山監督は「必ず流れが来ると信じて、必死に戦うしかない」と言った。打開策として、オフに左膝を手術し、出遅れていたベテラン金子誠を合流させることを決定。状態をチェックし、あさって24日のソフトバンク戦から復帰させる見込みだ。打撃力や堅実な守備はもちろんのこと、勝ち方を知る“頭脳”として、その存在感に期待する。

 また、腹直筋を痛めていた守護神・武田久も、明日23日の同戦から復帰。乾、鵜久森、尾崎を含め、大量4選手を入れ替えて活性化を図る。「チーム全員で、という思いでやっていく」。内容ではなく、勝利という結果が、何よりの特効薬になるはずだ。【本間翼】