<中日0-3阪神>◇24日◇ナゴヤドーム

 打っても打っても0点じゃあ…。守道竜が今季初完封負けを喫した。11安打を放ちながらも、3併殺などもあり10残塁。5度も得点圏に走者を置いたが、すべてフイにしてしまった。

 今季最多13安打15得点で連敗を3でストップした24時間前はご機嫌で「今日はしゃべるわ」と会見場に登場した高木守道監督(71)もさすがに元気がない。この日は「今日は少なめにいくわ」とポツリ。「昨日のあれでいきゃ、10点は入っとったのに…。それが野球ですよ」とぼやき節だ。

 あの手この手でも試合の流れを引き寄せることができなかった。象徴的だったのが3点を追う6回だ。指揮官はこの日ノーヒットだった先頭荒木に代えて森野を投入した。森野が左前打を放つと、7回にはそのまま今季2度目となる二塁守備につかせた。

 6試合連続ヒットを放っている荒木を早々に諦めて、守備でも竜の看板とも言える「アライバ」にメスを入れた。非情とも思えるタクトを振るった高木監督は「荒木が上がっていってくれな」と信頼を口にしたが、今後の二塁森野の可能性については「そりゃ十分考えてるけど、明日も左ピッチャー。相手投手と内容を見て決める」と含みを持たせた。

 交代させられた際にはベンチでイライラを募らせるようなシーンも見られた。だが、時間をおいて球場から出てきた荒木は冷静だった。「結果が出てないから使われないだけ」とサバサバした表情だった。

 気持ちを切り替えた荒木のように、チームも引きずってはいられない。乗り切れない竜を象徴するような夜でも、朝は来る。【桝井聡】